サプライチェーンから、メンバー価値へ
世界水準のオペレーションを支えるもの
デイブ・ブラウン(Dave Brown)インタビュー
何千キロもの走行に耐えるトレッドミル、日々の高負荷に応え続けるウェイトラック、そして止まることなく稼働し続けるカーディオフロア。そのすべての裏側には、世界規模で緻密に機能するオペレーション体制があります。ライフ・フィットネス / ハンマー・ストレングスでは、その中核をグローバル・オペレーション担当上級副社長(SVP)のデイブ・ブラウンが率いています。
強靭なサプライチェーンの構築、国際チームの拡大、そしてあらゆる意思決定における「顧客体験」重視。数十年にわたるキャリアを通じて、デイブはオペレーションが施設の成功を左右する現場を数多く見てきました。今回のインタビューでは、彼のリーダーシップ哲学、世界的な混乱から業界が学んだ教訓、そしてこれからの「世界水準のオペレーション」が、これまで以上に“見えない存在”になっていく理由について語ります。
誠実さとスピードで導くリーダーシップ
デイブにとって、リーダーシップの出発点は「原則」です。
「私は誠実さをもって向き合い、信頼を築くことを大切にしています」と彼は語ります。
「組織の力を正しく理解し、最初の“NO”をそのまま受け入れない。そして、“ゆっくりは滑らか、滑らかは速い”という考え方を忘れないことです。」
これらの原則は、世界規模のオペレーションにおいて規模・品質・スピードのバランスを取るための土台となっています。複雑さを明確さに変え、プレッシャーの中でもチームを一つに保つ哲学です。
理論を現実に変える ― 高まる期待への対応
フィットネス業界において、信頼性は選択肢ではなく必須条件です。
設備の停止は、施設運営者だけでなくメンバーの信頼も損ないます。ここで重要な役割を果たすのが、グローバル・オペレーションです。
「私たちは、理論と現実、つまり設計と実行をつなぐ要です」とデイブは説明します。
「投資判断、新しいプロセス改善、生産能力計画など、製品ライフサイクルのあらゆる段階で、オペレーションチームが積極的に意見を出す必要があります。それが、最初から顧客の期待と一致したものづくりにつながるのです。」
世界的混乱から学んだ教訓
ここ数年、サプライチェーンはかつてない試練にさらされてきました。
デイブが語る、フィットネス業界にとっての最大の学びは「柔軟性を仕組みに組み込むこと」です。
「可能な限り共通部品を使い、特注部品を減らす。調達先を複数持ち、必要に応じて地域生産体制を構築する」と彼は言います。これらの取り組みにより、不確実性の影響を最小限に抑え、施設が必要とする安定稼働を守ることができます。
すべての判断は、顧客体験につながる
どれほど舞台裏の判断であっても、その影響は最終的に顧客体験に及びます。デイブが顧客を中心に据え続けるために重視しているのが、「透明性」です。
「ライフ・フィットネス / ハンマー・ストレングスでは、全員が同じチームとして成果を分かち合います。すべての部門が平等に発言権を持ち、良い時も悪い時も情報を共有します。透明性こそが信頼を築くのです。」
施設側からは見えない“静かな成果”も、確実に顧客価値へとつながっています。その一例が、安全対策の強化です。
「スタッフの安全を守ることは、経験豊富な人材を維持することにつながります。そしてその経験値は、日々お客様が感じる品質そのものです。」
グローバル規模とローカルニーズの両立
世界各地で事業を展開する中で、地域ごとの期待や要件に応える必要があります。
そのためには、グローバルな一貫性とローカルな柔軟性の両立が欠かせません。
「標準化された手法やグローバルでの横断的な共有は重要です。同時に、報告体制の見直しや、地域市場の実情に合わせた対応も必要になります」とデイブは語ります。優れたオペレーションとは、最適なベストプラクティスを世界規模で展開しつつ、実行は各地域に最適化できること。その両立こそが、強靭なオペレーションを生み出します。
これからのオペレーション:データ、AI、そして“見えない成果”
今後5〜10年で、オペレーションはどのように進化していくのでしょうか。
デイブは、真にプラットフォーム化されたソリューションと、機能性とエンゲージメントを融合した体験が主流になると見ています。「運動中にユーザーの意識を引きつける“ゲーミフィケーション”のような要素も、オペレーション設計の一部になっていくでしょう」と彼は語ります。
さらに、データ、デジタルツール、AIは、オペレーションの“回復力”そのものを再定義します。「需要予測の精度向上、機器のダウンタイムを事前に察知する予測型アプローチ、そしてデジタルプラットフォームを活用したグローバルな連携。これらによって、オペレーションは単に効率的であるだけでなく、未来に対応できるものになります。」
ビジョン
デイブは、自身の哲学と将来像を次のビジョンで表現しています。
「安全と成功を最優先に考えながら、揺るぎない品質へのこだわりを持って、世界水準の製造・オペレーションを実行すること。そして、すべてのライフ・フィットネスの機能を一つの協働エンジンとして結びつけ、整合性、イノベーション、そして企業成長を推進する触媒となることを目指しています。」
なぜそれが重要な のか
優れたオペレーションは目に見えません。しかし、その影響力は圧倒的です。フィットネス施設が、より信頼性が高く、つながりのある、質の高い体験を提供しようとする中で、オペレーションの卓越性は真の競争優位性となります。
デイブ・ブラウンのようなリーダーのもと、ライフ・フィットネス / ハンマー・ストレングスは証明しています。フィットネスの未来は、フロア上で起きていることだけではなく、その裏側で築かれる精度、強靭性、そして信頼によって支えられているのだと。
施設運営者への問い
あなたのオペレーションに組み込まれている「見えない成果」は、何でしょうか?