世界最高峰のインドアサイクリングが「バイク」だけでは語れない理由
満員の ICG® インドアサイクリングクラスに足を踏み入れると、ある光景に気づくはずです。
初めてビンディングを使う初心者の隣で、エリートトライアスリートが同じクラスを走っている。しかも両者とも、自分の世界に没頭し、適切にチャレンジされ、ライドに深くつながっているように見えるのです。
これは偶然ではありません。
科学、パーソナライゼーション、そして感情的エンゲージメントを融合させた、意図的なプログラミング哲学の結果です。ICGは、すべてのライダーが「ここに居場所がある」と感じられるクラスづくりを行っています。
今回私たちは、ICG コミュニティマネージャーの Sebastian Pfund(セバスチャン・プフント) 氏にインタビューを行い、ライダーが何度も戻ってくるクラス設計の秘密、そして施設がそれをどのようにコミュニティ形成と ROI 向上に活かせるのかを紐解きました。
以下では、プフント氏が ICG の中核として挙げる 8つの基本原則をご紹介します。
プログラミングの基礎からインクルーシブ設計、ROI 最大化、そして将来トレンドまで——これらは、ICG の体験がライダーの心をつかみ、運営側に成果をもたらす理由を形づくる「土台」と言えるでしょう。

1. ICGプログラミング の3つの柱
科学に基づいた構成
すべての ICG ライドは、明確なトレーニング目標から始まります。持久力向上、パワー強化、アクティブリカバリーなど、目的を持った構成により、会員は「汗をかく」だけでなく、確かな進歩を実感できます。
Coach by Color® によるパーソナライゼーション
ICG 独自の閾値ベースのカラ―ゾーンにより、すべてのライダーが自分に合った強度でトレーニング可能。初心者から経験豊富なアスリートまで、同じクラスで、それぞれの最適ゾーンを走れます。
感情的エンゲージメント
音楽、ストーリーテリング、照明演出が、スタジオを没入型空間へと変えます。
「一緒に始まり、一緒に終わる」という言葉はスローガンではなく、ライダーが“何かの一部になれた”と感じてクラスを後にする体験そのものです。
2. インクルーシブ設計が継続率を高める理由
多くの施設が直面する課題は、「競技志向のライダーを満足させながら、初心者も歓迎できるクラス」を実現することです。Coach by Color は、この課題を解決します。全員が自分のゾーンを見て、自分のペースで成功できるため、威圧感が生まれません。
プフント氏はこう語ります。
「パーソナライゼーションは迷いを取り除きます。エリートライダーはパフォーマンスを追求し、初心者は自信を築く。そして両者とも、同じ達成感を持ってクラスを終えるのです」
3. データ × ストーリーテリングの方程式
データだけでは、多くの会員を動機づけることはできません。一方で、構造のないエンターテインメントでは成果につながりません。ICG Connect は、このギャップを埋めます。
ライブのカラ―ゾーン表示、努力を可視化するゲーミフィケーション、サードパーティアプリとの連携により、スタジオ外でも進捗を追跡可能です。結果として、会員は「語れるストーリー」と「次に更新したくなる数値」の両方を持ち帰ります。
4. あらゆる施設タイプに対応するプログラミング
- ブティックスタジオ:没入型照明、創造的なテーマ、強いコミュニティづくり
- 大型ジム:品質を損なわずにスケールできるプラグ&プレイ型プログラム
- ホスピタリティ施設・集合住宅:年齢・体力を問わないインクルーシブ設計
5. エンゲージメントを下げてしまうよくある失敗
- 明確な構成や測定可能な成果のないクラス運営
- 高性能バイクの機能を活かしきれていない運用
(「フェラーリを買って、1速のまま走っているようなもの」) - インストラクター教育や継続的なトレーニング不足

プフント氏は強調します。
「最高のテクノロジーがあっても、会員を再び戻ってこさせるのは、前に立つ“人”なのです。」
6. 未来を形作るトレンド
- ブティック型没入体験が都市部を越えて欧州・世界市場へ拡大
- ハイブリッドプログラミングによる、ピークタイム外の稼働向上
- サイクリングに限らない、ワークアウト全体を横断するデータ連携
7. スペースとROI の最大化
空いているサイクリングスタジオは、逃している収益機会です。ICG Virtual App を活用すれば、オンデマンドライドを一日中提供でき、会員の都合に合わせた利用と、スタジオの収益化を同時に実現できます。

8. コミュニティを育てるイベントの力
ローカルチャレンジから大規模ライドフェスまで、サイクリングイベントはジムの外へとブランド体験を広げます。ドイツでは、ICG のイベントに数百人規模のライダーが集まっており、プフント氏は「このモデルは他の市場にも展開できる」と考えています。
施設運営者への示唆
インドアサイクリングが支持され続ける理由は、優れたバイクだけではありません。
賢いプログラミング、パーソナライゼーション、感情的なつながり——この融合こそが、会員のロイヤルティを高め、スタジオをコミュニティの中心へと変えます。
プフント氏の言葉で締めくくりましょう。
「目標を与え、成功への道筋を示し、また戻ってきたくなる理由をつくる。それができたとき、初めて“長く続くもの”が生まれるのです。」